2570 ー男子高校生とOLー
私はつい好奇心でそのシチュエーションを探ってしまう
「みんなが見てる中で告白されたの?」
「誰も見てません。校舎周りをランニングしてて、呼び止められて急に」
「へー......」
「その子は、返事はいらないと。マネージャーになるから、自分のことをもっと知ってから返事が欲しいと言われて」
私はアイスの口部分を噛み締めながら、そのシチュエーションを想像して頭に宇宙を広げた
甘酸っぱーーーー
なんじゃそりゃーーーー
わーー!良いなぁ高校生!
けど高校をそんな甘酸っぱい空間に使うな
勉強しろ勉強を
これは高校生時代は勉強のみに没頭して、恋愛とは1ミリの関係もなかった私の完全なる妬み嫉みである
青春を楽しんでる女子高生
完全なる人間の勝者
「そ、それで相談とは」
自分に正解の回答が導き出せる自信がまるでなくなった私は、話の核を恐る恐る尋ねた
「断りたくて」
「あらら、もったいない」
「......?」
「すぐに返事はいらないと言ってくれたのでしょう?その子の事をまだよく知らないのは確かなんだし、仲良くなってから結論を出しても良いんじゃない?」