2570 ー男子高校生とOLー
「高校で告白?されたことありません、一度も」
なんでこんな事、自分から言わにゃあかんのだ
「高校どころか!まともな恋愛なんか一度もしたことない私に、こんな相談のベストアンサーになることは不可能なのです。すいません質問者様」
アイスの"から"を握りしめておいおいと泣く私を、目の前の男子高校生がドン引きしたように見つめる
「大丈夫ですか」
「合コンだって、本当は鼻で笑えるような人間じゃありません。今日のアイツ!名前は知らないけど私のことを持ち帰ろうとした。下心の塊に誘われたワンナイトでも、私は行くべきだったのかもしれない。恋愛経験を積まなきゃ良い恋愛はできないだろうから!」
「確実に行くべきではないです.......」
私は憐れんだ視線を向ける五月をキッと睨むと
「酒だ酒!」
とヤケになったように叫んで立ち上がり、キッチンのラックに寝ていたウィスキーを取って掲げた
「うう......もー飲むしかない!」
蓋をクルクルとあけ、口に一気に流し込む
「お、おい!」
五月が思わず立ちがあり私のラッパ飲みを止める頃には、私は満足したように「ふー」とため息を吐いて口元を手の甲で拭っていた