2570 ー男子高校生とOLー


「......せめてなんかで割ってください」


「ソーダが......冷蔵庫に」


「......勝手に開けますよ」



私は五月が作ってくれたハイボールをグビグビと飲んで「ぷはーー」と満足げに笑顔を見せる


不安そうに見てくる五月の目を右手で隠した



「ダメな大人を見るような目で見ないで」


「見てません」


「五月もいつか分かるよ。お酒が飲めるようになったら飲もうね」


「......はい」



私は彼が素直に頷いたことに満足すると、目を隠していた手をどけてニッと笑った



「私の高校生時代に、五月くんがいれば楽しかったな」





私は一度



彼を呼び捨てにしてしまったことには気が付かなかった



< 45 / 140 >

この作品をシェア

pagetop