2570 ー男子高校生とOLー
「おはよー早苗ちゃん!おまたせ〜」
「おい、本当にだいぶ待ったぞ」
年齢に若干合っていないピンクのフリフリワンピースで登場した友人、福澤仁香は、約束の時間より20分ほど遅れて呑気に現れた
「ごめんごめん。現地集合だから、ちょっと遅れても時間的にはあんまり問題ないかなって」
「いや、よく分かんないけどね意味」
「着ていく服に迷ったさ、これどうかな?」
心底どうでもいい質問には答えず、薄手のコートのポケットに両手を突っ込んで歩き出す
「ほら行くよ。もうだいぶ賑わってるじゃん」
「えーん待って待って!」
私は仁香を急かすように歩きつつ、高校生やお客さんで賑わう空間をゆっくり見渡した
高校には久しぶりに足を踏み入れる
もちろんここは自分が通っていた高校ではないが、文化祭の雰囲気はなんだか懐かしい
「思い出すね、早苗ちゃん。うちの高校もこんな感じだったよね。うちら2年生はお化け屋敷して、3年生はハンバーガー売ってさ!」
「そうだったね」
「偶然、今日は私の弟のクラスもハンバーガー屋さんなんです!」
「そーかそーか」
適当に相槌をしながら物珍しさにキョロキョロしていると、仁香にガシッと手を取られる
「てことで、ハンガー屋さんを探しまーす」
「朝イチからハンバーガー行く!?」
「来てって言われてるからね!」
「ブラコンだねぇ」
というわけで
まずはハンバーガー屋さんを目指すことになった