2570 ー男子高校生とOLー
なんでここに
レイが!?
思わずレイに駆け寄った私は、そのキョトンとした瞳に口を押さえて悶絶した
「うそ.......」
「あの、どうかしましたか?」
彼が持っているのはピンクの文字で「2年3組女装カフェ」と書かれた看板
なるほど
彼は2年3組の男子生徒で
このカフェのために女装をしているというわけか
「ごめんなさい。あなたがあまりにも、ゆめかわ戦士は魔法の娘(こ)に出てくる主人公を完璧に再現していたものですから......」
その言葉に顔を綻ばせたレイは、看板を両手で持ちその場をくるりと一回転してみせた
「まじっくぱわーきゅるきゅるー......でしたっけ?僕、実はそのアニメをよく知らなくて、コスプレはさせられているだけなんです。女子の話によると、予想外に似合っているとのことで、本当でしょうか」
「ええすごく!アニメファンから見てももう完璧!今の呪文もほんとに可愛い!」
恥じらいがなくなったらもっと完璧なんだけどね!
思わず興奮気味にコスプレと呪文を褒めると、彼は照れ笑いを浮かべて前方を指さす
「僕、2年3組の呼び子をやってる安井っていいます。良ければそこなんで、お姉さんもきてください」
これは何か縁のような気がして
「うん、分かった。行くわ」
私は上機嫌に2年3組に足を踏み入れてしまった