2570 ー男子高校生とOLー
めっっっちゃプリンセスじゃん!
ピンクでフリフリな衝撃の服装に華麗な二度見を披露した私は、思わずその場で立ち止まる
え!めっちゃプリンセスだけど!(2回目)
イケメンって女装が似合うんだな〜
顎に手を当てて急に遠目でイケメン鑑賞をし始めたからか、安井は私の様子を伺いつつ恐る恐る声をかけてくれた
「あ......彼、凄いかっこいいですよね」
「え、ええ、そうね......。実はちょっと知り合いなの」
「そうだったんですか?」
私は目を細めて「本当にちょっと」と頷く
気づかないかもしれないなぁー
それならそれで構わないやと、遠くから手を振ってみることにした
「おーーーい」
呼ぶ声は小さめに
気づけ〜〜と念を送る
しかし彼は混ぜ途中のクリームに視線を落としたままで、顔を上げない限り私には気がつきそうになかった
うーん、無理かぁ
「あの、おばさん。そういうアピールはやめてください」
「え!?」
後ろからいきなり声をかけられ、私は「おばさん」のワードに心をえぐられながら振り返る
見ればなるほど私には到底、敵いそうにない可愛くて美人な女子高生が立っていた