2570 ー男子高校生とOLー
教室の出口へと向かって歩き出す
もう一度、ちらりと五月を振り返った時
偶然そのタイミングで顔をあげた彼と
教室の端と端で目が合った
お、気が付いたな
集客がんばれ〜
そんなエールを込めつつ手をひらひらと振る
その驚いた顔に、思わず口の端が緩んで笑ってしまった
「が ん ば れ」
声には出さずに口を動かしてエールを送る
よし
伝えたいことは伝えられた
そう思って教室を後にしようとした時
「待って!!」
背中で五月が叫んだ声を聞いたのだった