きみにもう一度とどけたい、この声を


「遥ぁ、ごはんよー」


山下家の日常を必死に演じる母親の声。

あの日以来、私をまるで腫れ物に触れるみたいに扱う。

普通に話してる風だけど、普通を装うためのワントーン高い声。

それが余計に辛いのに、なんでわかんないかな。

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