【短編】最高の誓いを
第1章
「菜々、飲み過ぎだよ?」
駅から徒歩2分のところにある結構お洒落な居酒屋。
私、佐伯菜々と彼氏の安藤陸の行きつけのお店がそこ、居酒屋『優』だった。
「やぁだ!まだ飲めるんだもーんっ」
「だめ、今日はもう終わり。」
ベロンベロンに酔ってる私とは正反対で全く酔ってない陸。
ま、当たり前か。なんたって陸はまだ“高校生”なんだから。
陸と私が出会ったのは陸の学校の教育実習。
大学で教育学部を専攻してた私は教育実習で陸のいる高校に行くことになったの。
それで、まぁお互い惹かれあった…みたいな感じ。
どちらかというと私が一方的にアタックしちゃった、っていうのもあるんだけどね。
「んぅ…あと一杯。だめぇ?」
陸の手をギュッて握って目を潤ませながらお願いする私は確信犯。
こうすると、陸は絶対に首を縦に振るの。
「っ…菜々…」
ほら、罠にかかったでしょ。
「りーくー?」
「……だっ、だめ!」
ちぇっ、今日ははずれだったみたい。
もう聞かないって言うように私の手から手を離した陸は顔を背けていた。
「意地悪~…」