私が見つけた大きな希望
今日は待ちに待ったお出かけの日!
向日葵におしゃれの基本?みたいなのを教えて貰って、準備万全!
せっかく行くのなら、可愛い格好をしていきなさいって言われちゃったからね笑
ピローン
メールの通知?アオくんかなぁ?
『10時に駅で待ってる』
...アオくんだ、
もうそろそろ10時になるから家を出ようとしたら。
「いってきまーす!」
「あれ?萌乃ちゃん、どこか行くのかね?」
と、お父さん。私はお父さんが嫌い...だった。でも、私が困った時に助けてくれた。だから今では大切な家族。お兄ちゃんと、私と、お母さんを置いてどこかに行った実のお父さんよりもよっぽどいい
「ちょっとお出かけ行ってくるね。帰りは分からないからお仕事帰ってきたらご飯食べてて大丈夫だよ!」
「うん。気をつけてな」
私の家から駅までは歩いて10分くらい。

そして、駅に着いた。
いないかなってキョロキョロしていると、
「おーい、萌乃?」
と、私の名前を呼ぶ声が!
「アオくん!体調は、大丈夫なの?」
「よっ。俺は、大丈夫大丈夫」
「そっか!本当に貴重な1日ありがとう!」

腕を引っ張られ、電車に乗り込む。
「アオくん、どこに行くの...?」
「それは秘密だよ。楽しみにしててね?」
正直言うとアオくんの性格は、いまいち分かっていない。というか、分からない。
まずまず、初めてのお出掛けだから、これから知っていけばいいと思うけど...。
しばらくの沈黙が続いた。けど、アオくんが口を開いた。
「ね、萌乃と莉乃ちゃんって、姉妹?」
「え?どうして?」
「いや、顔が似てないなぁと思って...お兄さんとは顔が似てるじゃん?」
...なんでこんなことを聞いてくるのか私には全く分からないけど、でも、いつかは話さなきゃと思ってたから丁度いい。
「アオくん、鋭いねぇ。私と兄、莉乃とはお父さんが別々なんだ。私が小三の時に再婚したの。」
「そうなんだ。だからなんだね...。」
「アオくんってなんの病気...なの?」
...ずっと聞きたかった。どんな病気なのかを。
アオくんは、少ししかめっ面をして答えてくれた。
「俺は、生まれつき心臓が弱くてさ。俺の父さんは強い子じゃないとダメだって言って俺を、家族を捨てた。だから、絶対に強くなってやるんだ。家族を捨てた、父さんを見返すために。もう会えないかもしれないけど…。」
...心臓...病...?
「...アオくんは、すごく強いと思うよ、」
「なんで...?」
「だってさ、あんな闇にくれてた莉乃を助けてくれたんだもん。普通だったら絶対に出来ない事だよ!だからさ、もっと自分に自信もっていいと思うな」
ほんとにそう思う。でもそれは、アオくんだから出来たんだと改めて思う。
「ありがとう、そう言ってくれるのは萌乃だけだよ。」
少しでも、アオくんの生きる希望になってくれれば…、笑顔になってくれれば…。

そんなこんなで目的地に着いたみたいで。
「萌乃、遊園地行ったことある?」
「うん、1回だけね、アオくんは?」
「初めて。」
...手を繋がれている。こういう光景ってカップルって言うのかな…?
「あの、アオくん...手...。」
「あっ、ごめ、嫌だった???」
「あの、その、そういうの初めて...だから、分からなくて...、」
絶対に顔が真っ赤だよー...。


あぁ、このまま一生幸せな日々ならいいのに。



神様は意地悪だ、




そんなの昔から分かってたよ。
< 12 / 18 >

この作品をシェア

pagetop