私が見つけた大きな希望
それから毎日毎日、莉乃に会いに行った。

そして、退院が決まった。
最後は家で、というお父さんの願いで、家に帰ることになった莉乃。

そして、余命宣告を受けてから1ヶ月が経っていて。
莉乃はもう、ベットから起き上がることさえ、困難な状態になっていた。
「莉乃おはよう(๑ ˙˘˙)/今日はとっても綺麗な青空が見えるよ!」
朝がいちばん怖い...。莉乃が目を覚まさなかったらと思うととっても怖かった。

そして、この日、いつも通り学校に行って、莉乃に行ってきますと、手を握る。
けど今日の莉乃は、いつもより元気がなくて。
「お母さん、莉乃はまだ大丈夫?だよね?」
「え、ええ。大丈夫よ、大丈夫よ。」

私の手には物凄い手汗が流れる。
「ねぇ、お母...さん。」
「莉乃、どうしたの?」
「莉乃、のことを、産んでくれてっ、...ありがとう、」
ほんの僅かな小さな声だった、
「莉乃...。産まれてきてくれてありがとう。」
何も言わずただ聞いていた。

お母さんは、とっても泣いていて。
私も涙が止まらなくてっ。
「お母...さん、これから幸せな...毎日送れる...かな」
そして、お母さんは、言ったの。
最後の一言を。
「そうね、きっと、天国で、幸せな毎日が送れるわ。」
莉乃の髪の毛に触れながら。囁くように。

そう言うと莉乃はニッコリ微笑んで静かに目を閉じた。



莉乃がそれ以上、目を開けることはなかった...。
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