私が見つけた大きな希望
【葵威】
俺は知っている。
莉乃ちゃんと同じ病気を患っていることを。
そして、俺には未来が見えないことも。
萌乃から聞いた、莉乃ちゃんの余命の話。まだ俺より全然年下の彼女の妹が頑張ってるのに、俺が頑張らない訳には行かないんだっ。
萌乃の為に、未来の自分のために頑張るしかないんだ。
ガラガラガラ…
「葵威、気分はどう...?」
「来んなよ、仕事大変なんだろ」
俺の家庭は、母さん、姉、俺の3人家族。父さんは、俺が幼い時に家を出ていった。
父さんが家をでていった理由は、俺が病気を持ってるから。
「葵威が頑張ってるんだもの。たまには来てあげないと、頑張れないでしょ?」
...そう言えば、彼女出来たって言ってなかったけ。
「なぁ、母さん。」
「どうしたの、改まって。」
...言うべきか、言わないべきか。言った方がいい...んだよな?
「俺、彼女出来たから」
「そう、その子の為に、死ねないわね。」
泣きそうな顔をして下に俯く母さん。
「うん、絶対に死んで溜まるかよっ。」
握る拳に手汗が流れる。
その拳に、母さんは手を当てた。
「今度、その子に会わせてね。お話をしたいから...。」
俺は、病室を出た。
最近来てなかった、見晴らしのいい吹き抜けに風を感じる。
プルルル、プルルル。
...?萌乃から電話だ。
「はい、どうしたっ!?」
俺は直ぐに異変に気づいた。明らかに泣いている。
萌乃は、泣き虫だから、しょっちゅう泣いてるけど、そんなレベルじゃないのは、何となくわかる。
『アオくんっ、莉乃っ莉乃がっ!』
「落ち着け、莉乃ちゃんがどうしたんだ?」
その先は俺が思いもよらないことだった。
『莉乃がっ、さっき...天国にっ...。』
莉乃ちゃんが天国...?嘘っ、嘘だろ...?
「莉乃ちゃんが、死んだ...?嘘だろ...。」
『お母さんに産んでくれてありがとうって言って...。でね、お母さんが、天国で待っててみたいなことを言って...、それで莉乃はっ...。』
莉乃ちゃんと初めて会ったのは、莉乃ちゃんがまだ幼かった時だったね。
シンデレラの本を大切そうに持っていて。後から聞くと、その本は、萌乃からのプレゼントだったんだっけ。
いつも、俺の読み聞かせを楽しみにしてくれてた、莉乃ちゃん。
いつも笑顔で聞いてくれる莉乃ちゃん。
そして、何より、萌乃に合わせてくれた莉乃ちゃんが...。
「今から、病院に来れる...?」
『えっ...?顔ひどいよ...?』
「大丈夫、気にしないから、ゆっくりでいいから、病院に来てくれ。」
それから15分くらい待って、
「アオくん、どうしたの...?」
俺は知っている。
莉乃ちゃんと同じ病気を患っていることを。
そして、俺には未来が見えないことも。
萌乃から聞いた、莉乃ちゃんの余命の話。まだ俺より全然年下の彼女の妹が頑張ってるのに、俺が頑張らない訳には行かないんだっ。
萌乃の為に、未来の自分のために頑張るしかないんだ。
ガラガラガラ…
「葵威、気分はどう...?」
「来んなよ、仕事大変なんだろ」
俺の家庭は、母さん、姉、俺の3人家族。父さんは、俺が幼い時に家を出ていった。
父さんが家をでていった理由は、俺が病気を持ってるから。
「葵威が頑張ってるんだもの。たまには来てあげないと、頑張れないでしょ?」
...そう言えば、彼女出来たって言ってなかったけ。
「なぁ、母さん。」
「どうしたの、改まって。」
...言うべきか、言わないべきか。言った方がいい...んだよな?
「俺、彼女出来たから」
「そう、その子の為に、死ねないわね。」
泣きそうな顔をして下に俯く母さん。
「うん、絶対に死んで溜まるかよっ。」
握る拳に手汗が流れる。
その拳に、母さんは手を当てた。
「今度、その子に会わせてね。お話をしたいから...。」
俺は、病室を出た。
最近来てなかった、見晴らしのいい吹き抜けに風を感じる。
プルルル、プルルル。
...?萌乃から電話だ。
「はい、どうしたっ!?」
俺は直ぐに異変に気づいた。明らかに泣いている。
萌乃は、泣き虫だから、しょっちゅう泣いてるけど、そんなレベルじゃないのは、何となくわかる。
『アオくんっ、莉乃っ莉乃がっ!』
「落ち着け、莉乃ちゃんがどうしたんだ?」
その先は俺が思いもよらないことだった。
『莉乃がっ、さっき...天国にっ...。』
莉乃ちゃんが天国...?嘘っ、嘘だろ...?
「莉乃ちゃんが、死んだ...?嘘だろ...。」
『お母さんに産んでくれてありがとうって言って...。でね、お母さんが、天国で待っててみたいなことを言って...、それで莉乃はっ...。』
莉乃ちゃんと初めて会ったのは、莉乃ちゃんがまだ幼かった時だったね。
シンデレラの本を大切そうに持っていて。後から聞くと、その本は、萌乃からのプレゼントだったんだっけ。
いつも、俺の読み聞かせを楽しみにしてくれてた、莉乃ちゃん。
いつも笑顔で聞いてくれる莉乃ちゃん。
そして、何より、萌乃に合わせてくれた莉乃ちゃんが...。
「今から、病院に来れる...?」
『えっ...?顔ひどいよ...?』
「大丈夫、気にしないから、ゆっくりでいいから、病院に来てくれ。」
それから15分くらい待って、
「アオくん、どうしたの...?」