私の好みはクズなんだってば。
お酒は飲んでも飲まれるな、ってね? by 実咲
回りくどいのよあんた by 実咲
いつも通り適当に授業を聞き流し、終わった瞬間に講義室を飛び出して道場へと走る。今日は飲み会もあるし、テンション高いからきっとキレのある剣道ができるだろう。間違いない。
信号に遮られてぼーっとスマホの待受画面を見ていると、後ろから頭を小突かれた。いてっ、と小さく叫んで後ろを振り返ると、同じく剣道部の柳が「めーん」と面打ちのジェスチャーでスポドリのペットボトルを構えていた。
「なんだよーいたいなもー!」
「注意散漫、背後をとられるなんて武士の風上にもおけんなぁ?」
「いや武士じゃねーし、一介のスポーツマンだしー。柳こそ背後から狙うとかスポーツマンシップがなってなーい!」
騒ぎながら道場へ向かうと、先に着いていた部員はもう着替えて正座していて部長にちょっぴり叱られた。全部悪いのは柳である。
そこからの私はもうノリノリで、暴れに暴れてここ最近で1番のキレを見せた。
「飲み会とか、そういう時だけやる気出すよなお前。いつもそのやる気があれば強いのに」
「人にはテンションの緩急ってもんがあるでしょー、ってわけでお先!行ってくるわ」
「まーた飲みすぎて潰れんなよー」
「へいへい、わかってますって!」
稽古が終わって秒速で支度をした私は、新たな戦場へと駆け出した。
信号に遮られてぼーっとスマホの待受画面を見ていると、後ろから頭を小突かれた。いてっ、と小さく叫んで後ろを振り返ると、同じく剣道部の柳が「めーん」と面打ちのジェスチャーでスポドリのペットボトルを構えていた。
「なんだよーいたいなもー!」
「注意散漫、背後をとられるなんて武士の風上にもおけんなぁ?」
「いや武士じゃねーし、一介のスポーツマンだしー。柳こそ背後から狙うとかスポーツマンシップがなってなーい!」
騒ぎながら道場へ向かうと、先に着いていた部員はもう着替えて正座していて部長にちょっぴり叱られた。全部悪いのは柳である。
そこからの私はもうノリノリで、暴れに暴れてここ最近で1番のキレを見せた。
「飲み会とか、そういう時だけやる気出すよなお前。いつもそのやる気があれば強いのに」
「人にはテンションの緩急ってもんがあるでしょー、ってわけでお先!行ってくるわ」
「まーた飲みすぎて潰れんなよー」
「へいへい、わかってますって!」
稽古が終わって秒速で支度をした私は、新たな戦場へと駆け出した。