Deal×Love After
軽く触れてチュッとわざと音を立てて離すと、数分前は無反応だった椿があの水族館のカエルアンコウみたいに見事に鮮やかに紅潮する頬。

椿の白い肌を赤く染めるのが好きだ。


「今度は俺が守るから、椿は大人しくしててよ」

「今度も私が守りますから!」

「もうやだよ。二週間も苦痛に耐えるのは」

「今度はこんなドジ踏みませんから!って二週間!?」

「そうだよ。椿、二週間も寝てたよ」

「えぇえ!!?」

「明日からハネムーンなのにさ」

「ごめんなさいっ!」


椿が居るだけで、賑やかになる。

椿が居るだけで、笑顔になる。

椿が居るだけで、心が安らぐ。

椿が居るだけで、それで良い。
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