Deal×Love After
「食器を片付けてくるよ。休んでて」

スルリと唇に触れていた指が突然離れると、背中に海さんの腕が回ってきた。
そして優しくベッドに横に寝かされて布団を掛けられると、海さんの顔が近付いてきた。

私の唇を狙うように。


「キスはだめです!」

私は咄嗟に両手を出して、海さんの唇を塞ぐように当てて止めた。

海さんの目は不機嫌そうな細い目。

「俺は移っても良いのに」

「私が嫌ですから!」

「仕方ないね」

すると海さんの唇に当てていた両手を掴まれた。

そして片方の口角がニヤリと上がる。


避ける前に、

チュッ。

と、キスされた。

頬に。
< 74 / 175 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop