夏が残したテラス……

本社の入口に向かって歩いていると、横に並ぶショップのウインドウに飾られたアクセサリーが目に入った。

　時間が無いのは分かっていたが、吸い込まれるように、ショップの中に入った。

　店頭に並ぶ、色とりどりのアクセサリーに奏海を思い浮かべる。

　女性に何か買うって、こんなにウキウキするものだと初めて知った。


　そして、店内を見回すと白い石のブレスレットが目に入った。

　一目でこれだと思った。


　奏海の喜ぶ顔を想像しいて、思わず笑みを漏らしてしまった。