夏が残したテラス……
リゾートホテル ~海里~
ホテルの買収が決まり、再建に向けてプロジェクトチームが本格的に動き出した。
俺は、山内財閥の代表に、由梨華に直接縁談の断りの話をしたいと申し出た。代表は、何かを察したのか申し訳ないと、由梨華との時間を取ってくれた。
確かに、正式な縁談話では無かったが、きちんとした形で断るのが筋だと思った。
代表の部屋で、企業縮小をしたが、出来る事から見直していくという話しに耳を傾ける。本来なら、買収した俺になど話をするのもおかしなものだが、代表は新しい事を始めてる少年のように目を輝かせていた。
ドアがノックされる。
「はい」
代表の返事に由梨華が入ってきた。
思わず、その姿にがっくりと肩を落とした。
由梨華は、これぞと言うばかりに着飾って、万弁な笑みで入ってきた。
「海里さん、お久しぶりです」
挨拶をしながらも、俺の横に座ってくる。
「お久しぶりです」
俺も、挨拶しながら、さりげなく由梨華から離れる。
代表の重いため息が漏れた。
「由梨華。志賀君が、お前に話があるそうだ?」
「うわ―っ 何かしら。お昼を食べながらお話ししませんか?」
由梨華はケロッとして言う。
縁談を断わったのに、どうしたらこんな自信が持てるのか不思議でならない。縁談の話がまた持ち上がったと思っているのだろうか?
俺は、大きく息を吸った。
「申し訳ありません、時間が無いもので、ここでお話しさせていただきたい」
俺は、軽く頭を下げる。
「ええ―」
由梨華は頬を膨らました。
それでも、ぱっと目を見開き俺を見る。
「以前、代表より、あなたとの縁談のお話を頂きました。ですが、私には、あなたのような素敵なお嬢様はもったいない」
俺は、首を横に振りほほ笑んだ。
「えっ…… どうして? どういう事…… あの人、諦めなかったの……」
由梨華の表情は見る見るうちに強張った。
「あの人とは?」
俺は、声のトーンを落として聞き返した。
俺は、山内財閥の代表に、由梨華に直接縁談の断りの話をしたいと申し出た。代表は、何かを察したのか申し訳ないと、由梨華との時間を取ってくれた。
確かに、正式な縁談話では無かったが、きちんとした形で断るのが筋だと思った。
代表の部屋で、企業縮小をしたが、出来る事から見直していくという話しに耳を傾ける。本来なら、買収した俺になど話をするのもおかしなものだが、代表は新しい事を始めてる少年のように目を輝かせていた。
ドアがノックされる。
「はい」
代表の返事に由梨華が入ってきた。
思わず、その姿にがっくりと肩を落とした。
由梨華は、これぞと言うばかりに着飾って、万弁な笑みで入ってきた。
「海里さん、お久しぶりです」
挨拶をしながらも、俺の横に座ってくる。
「お久しぶりです」
俺も、挨拶しながら、さりげなく由梨華から離れる。
代表の重いため息が漏れた。
「由梨華。志賀君が、お前に話があるそうだ?」
「うわ―っ 何かしら。お昼を食べながらお話ししませんか?」
由梨華はケロッとして言う。
縁談を断わったのに、どうしたらこんな自信が持てるのか不思議でならない。縁談の話がまた持ち上がったと思っているのだろうか?
俺は、大きく息を吸った。
「申し訳ありません、時間が無いもので、ここでお話しさせていただきたい」
俺は、軽く頭を下げる。
「ええ―」
由梨華は頬を膨らました。
それでも、ぱっと目を見開き俺を見る。
「以前、代表より、あなたとの縁談のお話を頂きました。ですが、私には、あなたのような素敵なお嬢様はもったいない」
俺は、首を横に振りほほ笑んだ。
「えっ…… どうして? どういう事…… あの人、諦めなかったの……」
由梨華の表情は見る見るうちに強張った。
「あの人とは?」
俺は、声のトーンを落として聞き返した。