私は年下彼氏のヒモウーマン『完』
「舞ちゃん、退院したらどこ行きたい?」


「うーん、いっぱいいっぱい。」


「どこでもいいよ。たくさん写真撮って思い出たくさん作ろう。」



「ん、………無理だよ。」
私は急に頭が混乱した。ものすごい不安と恐怖が押し寄せた。



私は何を言ってるんだろう。
私はもう働けないだろうに……

リハビリなんて無駄なんだから。



「ごめんなさい。無理。私はもう手が動かない。日常生活も大変だし、パティシエとしてももう終わったんだよ。」



「全然無理じゃないよ。焦らない。ゆっくりいこうよ。」



「…」


私はやはり目の前の現実から逃れることなど出来なかった。



さっきまで浮かれていた自分がとても惨めだった……






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