私は年下彼氏のヒモウーマン『完』
座って最初に話しかけたのは、私だった。

「ねぇー今どこに住んでる?」
私は恐る恐る聞いた。コーヒーカップを揺らしながら……


「俺?北区だよ、舞香は?」


「北区?引っ越したの?」


「ああ、半年前にな。」


「そうなんだ…」
良かった、私は心底ホッとした。
全身の震えがようやくおさまってきた。


「じゃあ、私帰らないと、ごめん。元気でね。」



「おい、舞香!」
祐介は立ち上がろうとした時、私の右腕をぐっと強くつかんだ。



「痛い、やめて、離して…」


「お前、右手どうしたんだ?なんか変だ…」
祐介は、私の右手の異変に気づいた。



「ちょっと事故にあっちゃってね、それで、仕事も辞めたの…」


「大丈夫か?どうして言わなかったんだ?連絡しろよ。」
これは私が祐介を好きだった頃の優しい言葉を思い出させた。



私は一息ついて、コーヒーを飲んだ。



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