愛と約束
「―後悔、してんのか?」
顔を合わせた瞬間、そう聞いてきた匡史。
「後悔とか……俺ができることじゃねー……」
「まあな」
「おまけに……なんか、働いてやがる……」
「一人暮らししたら、金が足りないんだとよ」
「ふざけんな……」
「お前が言うか」
「あんなにスカートが短いとか……しかも、男多いし……本当、マジで何なんだよ……なんで、ここなんだよ……」
俺がそう呟き続けると、
「いや。時給がよかったとか言ってたぞ?」
「あ?」
「時給がな。会社もあるから、短時間労働になるだろ?それなら、時給が高いところでって話だ」
呆れたように、匡史はため息。
「そんなに機嫌悪くなんなら、抱いてやればよかったのに」
「……ぜってえ、嫌われるわ……」
「……めんどくせぇな、お前」
「知ってる」
愛想良く、接客する歩。
それを眺めていると、
「―ふーん、へー。喧嘩して、一人暮らし中なんだー。へー、で、どう責任取るつもりかな?」
聞き覚えのある声。
ゆっくりと振り返ると。
「お久しぶりだね、桐江弦刃(キリエ ゲンハ)くん?」
歩とよく似た容貌の長髪男が、タバコを片手に微笑んでた。