愛と約束
愛しているんだ


―ピンポーン。


お兄ちゃんに注意されて、仕方がないから……私は荷物の整理していた。


お兄ちゃんとの暮らしに、戻ろうと思った。


棚の上に置いてある、弦刃が一緒に撮ってくれた写真。


別れてから悲しくて、ずっと倒してたけど……。


私はそれを上げて、泣きそうになった。


―ピンポーン。


そして、さっきからなり続けるインターフォン。


心配症だから、昔から、インターフォンに出ていい時間を定められていて、今はその時間を過ぎている。


でも、大の大人が居留守だなんて……私は玄関に向かう。


―ピンポーン。


お兄ちゃんの心配はありがたいけど、流石に……ね。


「はい」


インターフォンに出て、玄関の鍵を開ける。


「っ」


そして、驚きのあまりに言葉を失った。


そこに居たのは、弦刃だったから。


「……遅くに悪い」


走ってきたのか、息を乱して。


肩で呼吸する弦刃は、軽く、手を上げる。


「ど、どうしたの?」


声が、震えてしまう。


忘れられていない思いが、溢れ出す。


「話、したくて」


「……話?」


今更、何を話すの?


別れたから、良いじゃんか……。


< 23 / 37 >

この作品をシェア

pagetop