愛と約束
「じゃあ、戦お?」
「……」
「一緒にいるから、頑張ろうよ」
だから、私もね。
貴女と向き合っていこうと思う。
これから先、どれほどの"悪”が現れたとしても……あなたと手を繋いでいれば、私は大丈夫って思えるんだ。
「お兄さんにさ、場を準備してもらって……それで、一緒に向き合おう。私もそばにいる。だからね、この手を離さないで」
「……」
「私も、両親に縛られてた。それを解放してくれたのは、お兄ちゃん。でもね、弦のおかげでもあるの」
あなたがいてくれたから、挫けないでいられた。
あなたがいてくれたから、生きていられたの。
「弦、愛してる」
「……っ」
「だから、一緒に立ち向かおうよ。理不尽な大人の事情なんて、蹴散らしてやろう。私達はもう、子供じゃないよ」
そう。
大人に守られるだけの、子供じゃないから。
「……迷惑、かけるよ」
「私もいっぱい、かけたじゃない」
「あゆが思うほど、俺は完璧じゃない」
「私は完璧な弦を愛したんじゃなくて、弱い貴方も、泣き虫な貴方も愛してるわ」
嬉しい。
嬉しくて、仕方ないよ。
貴方が、自分の言葉で、私を引き止めてくれたこと。
不器用でも、良かったんだよ。
貴方の言葉が、欲しかった。