愛と約束
「…弦、結婚するの?」
急に寂しさの襲ってきた私は、涙目。
好きだって言ったのに。
やっぱり、もう遅かったのかな。
一度、手を離した私がまた、掴むには。
「しないの?」
「え?」
「……プロポーズは待ってもらわないと、なんだけど。母さんのこともあるし……。え、ダメ?」
確認されても、それをお兄ちゃんに弦は聞くのでしょう?
私のこともあるから……ん?私の事?
「え、まさか……」
二人は仲悪い方だと思うし、有り得ないとは思うけど……。
「弦、お兄ちゃんと結婚するの!?」
「何でそうなるんだよ!そんなの、死んでもゴメンだわ!!」
ですよね……。
即座に切り捨てられて、私は安堵する。
「大体、この状況で、どうして自分と思わないかな」
夜。
私の部屋。
二人っきり。
距離、1m以内。
「……あ」
「頼むから、知佳さんとだけはやめて。あの人がもし女で、俺の嫁となった暁にゃ、俺禿げるよ」
「禿げるの?」
「間違いなく。ストレスでおかしくなる」
「……じゃあ、さっきの話は……」
「何か、大きな勘違いされているようだけど、知佳さんに結婚の許可を貰いに行かなきゃだろ?俺とあゆの」
「………」
また、沈黙。
頭の中の整理が、とても追いつかない。
「私っ!?」
「……そうだけど」
やっと気づいた?、と、言われ、私は目を丸くした。