愛と約束



「………………私で、良いの?」


「あゆじゃなきゃ、駄目なんだってば。ってか、……ああ、そうか。あゆの質問に答えてなかったね」


……視界が、翳る。


触れた、優しい温もり。


「……愛してるよ」


癖で目を瞑ってしまった私が、ゆっくりと開けると。


「母さんのことがあるから、正式にはプロポーズ出来ないけど。ごめんね」


どこか吹っ切れた顔で、笑う貴方。


「それよりも、本当に俺でいい?あゆは後悔しない?」


「?、後悔する要素が見つからない」


「……うん。俺、あゆのそういう所が1番に惹かれたのかも」


「へ?」


「そういう、特別を求めないところ。好きだなぁ、って思うよ。だから、…………あゆ」


「……はい」


弦の顔が、近い。


生真面目そうな顔をして、


「俺の奥さんになってください」


たった、一言。


けれど、一言。


それだけで、溢れ出した涙。


「あゆ?な、なんで泣く……」


「っっ……ごめ……」


「やっぱ、いやか?嫌なら、無理は……」


「っ、違うよ!」


そうじゃない。


そうじゃなくて。


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