愛と約束
想い side弦刃
2週間という長い出張を終え、なんとか家に帰ると……そこは、もぬけの殻だった。
最愛の恋人、歩の姿はなく……全ての荷物も消えてしまっていた。
瞬間、自分の行動がこれを招いたのだと、俺は把握して。
決して、歩を責める気も起きなかった。
いつだって、俺の後ろをついてきて。
名前を呼べは、嬉しそうに笑って。
告白された時は、滅茶苦茶、嬉しかったのに。
最初の頃はまだ、抱けた。
けど、最近は……溢れ出す欲求に、不安が募る。
それで、俺は歩を避けるようになってしまっていた。
それが、間違いだったのだ。
会社に行くと、歩は普通にいた。
話しかけようと思っても、そんな暇もなく。
聞きたいことがあるのに、暇がない、歩が避ける、という二大要素で、俺は歩と話をすることも許されなかった。
そんな時だ。
匡史に呼び出され、俺達は会社から少し遠い、ファミレスで落ち合うことになった。