彼女に落ちるまで~甘い運命 修一side
1, 彼女に落ちるまで
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完全に、八つ当たりだ。分かってる。
「ひょっとして、終わってから僕と食事でも、とか思ってます?」
目の前の彼女は、何のことか分からずにキョトンとしている。
でも、止まらない。
「時々いるんですよね、
公私混同して、誘って欲しい雰囲気出してくる人。」
ストーカーに悩まされて、精神的に余裕がない。
それも、同時期に二人もだ。
取引先の担当者が女性だった場合。
トラブルにならないよう細心の注意を払って、失礼にならない程度の冷たさで接するよう心掛けてきた。
お陰で入社して10年、女性問題での取引先との大きなトラブルは、ほぼ無かった。
でも、今まで間違えずにきた女性との距離感を狂わせたのは、多分彼女だ。
今の状況に、少しは責任がある。
俺は無理矢理な理屈で、自分の言動の失礼さに言い訳をした───
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