現代拾遺物語
タイトル未編集
学級内戦①
高校入学から4ヶ月が経ち、周りの環境にも慣れてくる頃。クラス内でも、動きが見えてきた。
僕は水上つばさ。あまり人との関係は持たない。現にこのクラスの人とも殆ど喋ったことがない。
「やぁ、おはよう。水上くん。」
唯一喋ったことのある、と言っても、1度だけ消しゴムを貸しただけのクラスメイト。気さくな性格が印象的な、宮下すぐる だ。
「……おはよう。」
「相変わらずどこまでも無愛想だね。」
彼は苦笑いをした。
そろそろ僕の人間性に気づいてほしいものだ。
「愛想なんて、そんなに振りまくものじゃない。」
「流石。君らしいや。」
少し間が空いて彼は続けた。
「聞いた話なんだけどさ、このクラスの」
「悪いけど、他人に関わる話ならしたくない。」
そう言って席に着いた。
…
帰り道。結局その日の会話は、朝のものが唯一となった。まぁ、そんなことはどうでもいい。家に帰ったらまずは洗濯物を取り込んで、宿題をやって────────
「……っ!」
思わずはっとした。
驚いた。何年ぶりだろうか。いや、この類の驚きは初めてかもしれない。
この心臓が締まる感覚。
勝手に鼓動が速くなる。
手足が震えだした。
そこには、数十ヶ所に及ぶ傷を負った宮下すぐるが倒れていた。
秒針以外の全てが止まった。
僕は水上つばさ。あまり人との関係は持たない。現にこのクラスの人とも殆ど喋ったことがない。
「やぁ、おはよう。水上くん。」
唯一喋ったことのある、と言っても、1度だけ消しゴムを貸しただけのクラスメイト。気さくな性格が印象的な、宮下すぐる だ。
「……おはよう。」
「相変わらずどこまでも無愛想だね。」
彼は苦笑いをした。
そろそろ僕の人間性に気づいてほしいものだ。
「愛想なんて、そんなに振りまくものじゃない。」
「流石。君らしいや。」
少し間が空いて彼は続けた。
「聞いた話なんだけどさ、このクラスの」
「悪いけど、他人に関わる話ならしたくない。」
そう言って席に着いた。
…
帰り道。結局その日の会話は、朝のものが唯一となった。まぁ、そんなことはどうでもいい。家に帰ったらまずは洗濯物を取り込んで、宿題をやって────────
「……っ!」
思わずはっとした。
驚いた。何年ぶりだろうか。いや、この類の驚きは初めてかもしれない。
この心臓が締まる感覚。
勝手に鼓動が速くなる。
手足が震えだした。
そこには、数十ヶ所に及ぶ傷を負った宮下すぐるが倒れていた。
秒針以外の全てが止まった。