闇夜に消えて
「やだ」
予想外の返事。
どこに?とか聞いてくるかと思ったら。
やだ、だってよ。
ってことは花火大会があるって分かってるんじゃん!
「なんでー」
「めんどくさいから」
「いいじゃん」
「人混み苦手なんだけど」
「花火見たいんだもん!」
そんな押し問答が続いて、先に折れたのは流星だった。
「ちょっとだけだからね」
「ありがと!」
ちょっと気が引けるけど、リンはお留守番。
連れて行くわけにはいかないもんね。