闇夜に消えて

土手近くの信号まで来ると始まったらしい。


ひゅ〜……ぱんっ!


大きな花火が打ち上げられた。


目の前で咲いた綺麗な花火。


「流星!きれいだね!」


「……ん」


不思議に思って流星のほうをみた。


なんか、テンション低くない?


私が無理やり連れ出しちゃったから?


流星は花火を見ようとしなかった。


「ごめんね?」


さすがに強引すぎたかな、と思い謝ってみた。


「ううん」


流星はこっちを向いてくれない。


「花火、苦手なの?」
< 15 / 52 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop