闇夜に消えて
土手近くの信号まで来ると始まったらしい。
ひゅ〜……ぱんっ!
大きな花火が打ち上げられた。
目の前で咲いた綺麗な花火。
「流星!きれいだね!」
「……ん」
不思議に思って流星のほうをみた。
なんか、テンション低くない?
私が無理やり連れ出しちゃったから?
流星は花火を見ようとしなかった。
「ごめんね?」
さすがに強引すぎたかな、と思い謝ってみた。
「ううん」
流星はこっちを向いてくれない。
「花火、苦手なの?」