闇夜に消えて
そもそも、私がいなくなったことにさえ気づかないかもしれない。
適当に電車を乗り継いでたどり着いたこの街は、名前も聞いたことないくらいの田舎だった。
1日ぶらついて見つけたのは、あまり人がいない場所にある古い空き家。
錆び付いたドアを開けると、中には誰もいなかった。
生活感もない。
ホコリっぽいかと思ったけど意外にも綺麗。
よし、ここにしよう。
私はしばらくこので生活することに決めた。
ベランダに出るための扉は鍵が壊れていて少し空いている。
そしてその近くには椅子と机がワンセット。
なんでだろ。
前に住んでいた人が置いていったのかな?
まぁいいや。
今日は疲れたし少し休もう。
そう思ってバッグを床に置いた時……。