闇夜に消えて
「でも、震えてる」
ばれてた?
私の手が震えてるってこと。
「ちょっとびっくりしただけだって」
「……ごめんな」
流星に嘘は通じない。
「……あいつらはさ……」
そういうとまた黙ってしまう。
そんな流星が弱々しく見えて、なんだか抱きしめたくなった。
「流星。無理に言おうとしなくていいんだよ」
「でも、優月は知りたいんじゃないのか?」
「うーん……。
そうだけど、やっぱいいかなって」
「どっちだよ」
「それを言われたからって何かが変わるわけじゃないし」
私が明るく言うと、流星もそれに答えるように笑ってくれた。