闇夜に消えて

その笑顔に、不覚にもときめいてしまった。


『彼女？』


さっきの人達の言葉が蘇る。


ちがうし。


彼女じゃないし。


でも……そう思われたのも……嫌ではない。


って、何考えてるの私。


「優月？顔が赤いけど、大丈夫？」


え。

顔が赤い？

うそ。

やだ。


「なんでも。もー寝よっか」


足元によってきて「ミャー」と鳴いたリンを抱っこして、私は先にベッドに入った。


少ししてからベッドが軋む音がして、隣に流星が入ってきたのがわかった。


「おやすみ優月」


「お、おやすみ」





私が恋を知るのは、もうちょっと先のお話。