闇夜に消えて
高そうな車が止まっていて、運転手もいる。
これ、どーゆーこと?
「流星!」
連れていかれちゃうの?
やだよ…。
「優月!
絶対戻ってくるから!」
「戻らせる気なんてない」
流星のお父さんは車のドアを閉めて自分も助っ席に乗り込んだ。
そのまま勢い良く走り去っていく車。
ほんの数分の間に起きた衝撃的すぎる展開に、頭がついていかない。
どうすればいいの……。
「ミュー……」
「大丈夫だよ。
戻ってくるって言ってたもん。待ってよーね」
それは、自分に言い聞かせるために言った言葉。
とはいえ、戻ってきてくれる保証なんてどこにもなかった。