闇夜に消えて

とりあえず中に入ってベランダに出る。


食べ残されたカレーパンを手に取ってひと口食べてみる。


「油っぽい…」


つぶやく私の手に、なにがが当たった。


「雨…?」


太陽は出ているのに、雨は降っている。


天気雨ってやつかな。


どうせすぐやむだろう。


ベランダの扉を閉めてリンを抱えた。


そのままベッドに横になる。


隣に流星がいない、寂しいベッド。


「私また1人になっちゃうのかな?」


「ミャー」


「違うよって、言ってくれる?」


「……」


返事なんてあるわけない。


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