闇夜に消えて
私達は、お互いのほとんどのことを知らないから。
ましてや家なんて、知ってるわけがない。
「俺らが教えてあげよーかー?」
意地悪な笑みを浮かべて私を見下す。
こんなヤツらに頼りたくなんかない。
「いい。自分で探すから」
「へぇー。じゃあ、せいぜい頑張ってよ。
その猫ちゃんと」
あいつらは私の足に隠れて震えているリンを指さして、笑いながら帰っていった。
はぁ……むかつく。
「リン。私、探してくる」
「ミュー」
そう鳴いて私のあとをついてくる。
「一緒に行きたいの?」
心配だもんね。
一緒に探そっか。