闇夜に消えて
流星の家ってどこだろ?
分かるのは「田辺」ってゆー苗字と、高そうな車だけ。
車で来てたってことはそんなに近いところではないんだろう。
でも、中学の同級生がいたってことは、そんなに遠いところでもないっぽい。
私はここで育ったわけじゃないから土地勘なんて全くない。
あまりふらついてると家に帰れなくなっちゃう…。
とりあえず手当り次第家の表札を見て回ったけど、「田辺」なんていう標識はなかった。
3時間ほど歩き回ったところで家に戻った。
いつも聞こえていた
「おかえり」って声は聞こえない。
ベランダに出ると、雲の間から太陽が出ていた。
「動いて疲れちゃった」
少し寝ようかな…。
「リン、おいで」
机につっ伏する私の膝の上で、リンが丸まった。