闇夜に消えて
「りゅう、せい?」
男の子はこくりと頷いた。
信じられなかった。
流星がここに居るのは、まぼろしだと思った。
寂しすぎた私が幻覚を見ているのだと。
でも、確かに聞こえる泣き声。
流星が……泣いてる。
「流星、大丈夫?」
駆け寄って流星を抱きしめた。
「……おれ…」
「大丈夫、大丈夫。
何も話さなくていい。話したくなるまで何も話さなくていい。
流星が戻ってきてくれただけで十分だから」
私も泣きそうだった。
でも、泣けなかった。
ここで私が弱いところを見せたらどうしようもないから。