闇夜に消えて

正しくは鈴香(すずか)。


『リン』も『すず』母の名前。


それなのに、私は母が嫌いなはずなのに、なんでこの名前をつけたんだろう。


母のことなんか、思い出したくないのに…。


私が暗い顔をしていたからなのか、彼はわざとらしいほど明るい声で言った。


「まぁ、これから仲良くやっていこうよ」


「うん」


「俺の事は流星でいいから」


「ん」


流星は床にリンをおろすと


「お腹すいてる?
なんか食べるか?」


と聞いてきた。


「ううん。
あんまり食欲ないや」


「そっか。
俺はパンでも食べようかな〜」


そう言ってバッグの中をあさり始めた。
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