守りたい ただあなただけを


「カズマ殿、別に良いではないか?

各都市を訪問され見聞を広めて頂くのは、
今後のリバル国王の政務にも生かされる。

留守は我らが力を合わせ・・・・。」


「ヴィックス殿。

あなたも私と同じ考えを持ってくれると思っていましたが、

リバル様が長期間不在になる事は好都合なのですか?」


「・・・どういう意味だ?」



「今や政務の実権はあなたを中心としたこの場にいる側近達が握っている。

勿論ここまでのご立派なお務めに王宮中の者が感謝しております。

しかし・・国王の目が届かなくなるという事は、

ヴィックス殿に意見できる者がいなくなってしまうという事でもあります。」



「・・・我らが私利私欲に走るとでも申すのかカズマ殿!!!
無礼が過ぎるぞ!!」


「私は人間が持つ性の話をしているのです。」


「なんだと!?」


「あなた方は・・そして私も、
“王”ではない。

王を支え、時に王があらぬ方向に進まないよう嫌われ役になる“側近”なのです。

それなのに、王より側近が力を持ち・・
更にその力が強大となってしまえば・・」



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