守りたい ただあなただけを


「・・ゴホッゴホッ・・うちはペットを飼っていません。」

「・・・・・。」


母が毅然とした態度で兵隊達に答える。


僕も表情に出さないよう、
努めて冷静なフリをする。


「飼ってないだと?嘘をつけ。

今時ペットを飼っていない家のほうが珍しい。早く出せ。」


「体が弱いので・・ペットを飼うことが出来ないのです。

ここには本当にイヌもネコもいません。

どうかお引き取りください。」




「・・・・おい。」
「「・・了解。」」


「・・・・ちょ・・ちょっと何をするんですか!?」


兵隊達がズカズカと家中を物色し始める。

思わずそれを止めに掛かった。


「邪魔するな小僧。」


「こんな事が許されると思ってるんですか!?」


「許される?
・・何言ってんだお前。

国王様が命じたんだぞ。
正義は我らにある。」


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