守りたい ただあなただけを
「これはイヌの毛だな?」
「ゴホッ・・ゴホッ・・さっきまで、近所の犬達に朝ご飯をあげていたので、その時ついたんだと思います。」
「・・・・・・。」
「や、やめろよお前!!」
兵隊が刀を抜いて、
切っ先を母の額につける。
「女、嘘をつくなと言ってるだろ?
見るからに病弱そうなお前が近所のイヌに飯をやっていただと?
さっきまでベッドで寝ていた素振りだったお前がか?」
「・・・嘘ではございません。」
「リバル国王様からは、
従わない奴、刃向かう奴への殺しの許可も出ている。
最後のチャンスだ。
もう1度だけ聞く。
この家でイヌを飼っているんだろ?」
「・・・飼っていません。」
「お母さ・・・。」
「残念だ。」
ダメだ!!!
兵隊が刀を振り上げる。