守りたい ただあなただけを
『ワンワンワン!!!!』
「コロ!?」
恐怖で体が動かなくなっていた僕の視界に、
押し入れを突き破って出てくるコロが映った。
そのまま母へ刀を振り下ろそうとしていた兵隊へ突進し、その足をガブリと噛みつく。
「い・・いってぇ!!!!」
「伍長、イヌです!」
「やっぱり飼ってたか。」
動け・・動け僕の体!!
『グゥ・・・!』
急いで立ち上がって、
兵隊達に敵意を向けるコロを抱きかかえた。
「マコト!コロ!
逃げなさい!!」
僕達に向かって母が声を上げる。
「で・・でも・・。」
「逃がすと思うか?」
扉に立ちはだかった兵隊が全員刀を抜いていた。