守りたい ただあなただけを
「・・もし・・・。」
フード部分を取って顔を見せてくる。
「・・・・女か?」
短髪ではあったが、女だとすぐ分かった。
そして、布で覆い隠されているとはいえ、
一目で鍛えられている体をしている事も分かった。
強そうな女だ。
「・・・すみません・・
・・水をお持ちでないか?」
「・・水?」
「・・分けて・・分けて頂けないだろうか?」
「・・お前、バスの人間では無いな?」
「・・・・お願いします・・・
・・水を分けてください・・・。」
断る理由が無い。
鞄に入れていた水筒を取りだして女に渡した。
「!?・・かたじけない・・!!」
女は水筒を受け取ると・・・・
「おい、何処に行く?」
てっきり飲むと思ったら、
そのまま水筒を持って茂みの中に消えた。
・・中に入ってる水を飲むのは良いが、
その水筒はお袋が小さい頃、
俺に買ってくれた大事な物だ。
返して貰おうとその後を追う。