守りたい ただあなただけを
その隣に立っていた兵がふいに俺の胸ぐらを掴む。
「リューマ、
ただでさえ先日のイヌ・ネコ狩りの折、
ハグワール自衛部隊の方々を大勢ぶっ飛ばしてくれたお前のおかげで、
我らバス自衛部隊も先方から目をつけられておるのだ。
これ以上我らの名に泥を塗るなよ?」
「・・何度も言ってるけど、
それは俺じゃないですって。
マコトのお母さんも、“見知らぬ人だった”って証言したでしょうよ?」
「・・まぁいい。
ハグワールから一番近い都市がこのバス。
女がこの街に紛れ込んでいる可能性は十分ある。
・・必ず見つけ出してやる。」
捨て台詞を吐いた兵が俺を離すと、
ゾロゾロと去って行く。