守りたい ただあなただけを
「昨夜訪ねた時、
お前1人しか住んでいないはずの家に美しい色香がした。
リューマのような堅物が家に女性を連れ込む事はないと思ったので違和感を持った。」
「・・・さすがウィグさんですね。」
「確信したのはお前が口を滑らせたからだ。
写真は見せたが、
その女性が何者かは説明していなかった。
それなのに昼間会った時、
私のカマに引っ掛かって、
“ソプラノ”の名がお前の口から出た時、
“この男はイズミ姫を匿っている”と悟った。」
ウィグ曹長が一歩近づくと刀に手を伸ばした。
「ウィグさん。
親友達の墓前に、
“この刀で王の首を取る”と誓った時から、
俺は鬼になる事を決意した。
相手が誰であろうと容赦はしない。」