守りたい ただあなただけを


「・・・・・・・・・。」


「・・・・・・。」


「・・・・・・・・・・・・・・・。」


「・・・・。」


「・・・フッ・・。

・・・体術だけでも劣るのに、

刀を持ったお前に、
素手の私が勝てるはずが無いだろう・・。」



ウィグ曹長が内ポケットから何かを取りだして俺に投げつけてきた。


・・・紙・・・?


パサッという音と共に、俺の足下に落ちた。



「テナーの地図だ。

一般に流通している地図と違って、
自衛部隊の人間のみが持つもの。

機密情報も含んだテナーの全てがそこに記されている。」


「・・・・・・・・・・・。」


「・・・・・・・・。」


「・・・・なんで・・?」



「5年前、カジキが私の腕の中で息を引き取った時、“息子を頼んだ”と言ってきた。

お前は私が世話を焼かなくても1人で立派に育ったが、

カジキはひょっとしたら今日この日の為に、
あの言葉を言ったのかもしれないな・・。」


「・・・・・・。」



「行け、リューマ。」


「・・・・・・・・・・。」


足下の地図を拾うと、
一目散に馬車へと走る。








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