守りたい ただあなただけを
「・・・私の父はろくに仕事もせず、
酒に溺れては暴力を振う最低な男だった。
私もよく殴られ・・その度に母が私に覆い被さり守ってくれた。」
「・・・・。」
「私達を養う為、
母は寝る間も惜しんで働いていた。
昼は食堂の雇われ女将として、
夜は女宴園で男達の相手をして・・。
私が不自由なく学習院で学ぶことが出来たのも、母のおかげだった。」
「母親が強いのは、
どこの街でも同じ様だな・・。」
「だからある意味・・母も私が殺したようなものだ。
過労で倒れた後も、入院する病院のベッドで内職を続けていた。
息を引き取る少し前、か細くなった手で・・・卒業分までの学習院費を渡してくれた。」
「・・・・・・・・・・・。」