守りたい ただあなただけを


エイダが首を少し上に傾ける。

暗い馬車の中でも分かるその目の潤みに、

男勝りといえども、彼女も1人の女だということを実感させられる。



「その金が全て無くなっていることに気付いたのは、母の葬儀が終わった後だった。

別に学習院に通えなくても良かった。

ただ・・母の気持ちを踏みにじったあいつだけは絶対に許すことが出来なかった。」



“自分の娘に殺される”
という事を認識させる為、

あえて酔いが抜けて素面の時に刺した事、


返り血も拭かず、血にまみれた状態で、
自ら警務詰め所に出頭した事、


エイダはポツリポツリと告白した。


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