守りたい ただあなただけを
――――――
一言も喋らず、
相変わらず逆三角形に巻いたバンダナで目元しかこちらに見せないサイコからは、
一切の感情を読み取れなかった。
「・・・・・・・。」
「・・・・・」
お互い無言の対面状態が続き、兵が操舵する馬車に揺られテナーへと向かう。
腕を組んではいるが、
私が少しでも不穏な動きをしたらすぐにでもその背中に差した長刀を抜くのだろう。
視界の先に久し振りに見るテナーの街並みが映る。
兵達はイヌ・ネコ狩りの為、
街の入り口で止まるが、
私達が乗った馬車はリバル様が欲す美味を求めて市街地中心へと入っていった。