守りたい ただあなただけを


―――――― 


“さぁさぁ旅のお方!
寄ってらっしゃい見てらっしゃい!”


“体を癒やすならうちの温泉が良いよ~!”


以前にラバル様と訪れた時には、
街は活気で賑わっていた。


美しい海、絶賛の美味、
そして温泉を求めて、

他の街からも大勢の民がやって来るテナーは、観光地としての活気が売りだった。




「・・・・・・・・。」


「・・・・・・」


時刻は昼になるというのに、ほとんど人が出ていない街をサイコと共に歩く。


ここにはもう、あの頃の活気は無い。


ハグワールの街もそうであったがここもまた・・・。


イヌ・ネコ虐殺令によって奪われたのはペットの命だけでは無い。


“家族”、“親友”、“相棒”を失い、

多くの民達の心に傷を負わせた暴君はこの光景を見て何を想うのか・・。



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